2022/02/18
閉塞性睡眠時無呼吸症候群に対してCPAP使用と鼻閉改善手術を施行することにより無呼吸、低呼吸を制御できていたにもかかわらず、CPAP開始から12年後に急激に低呼吸の上昇を来し、チェーンストーク呼吸を認めた。陳旧性心筋梗塞、慢性心不全と診断され、冠動脈手術後にも中枢性無呼吸が持続するためにASVを導入した比較的まれな睡眠呼吸障害の1例を経験したので報告する。症例は77歳、男性。昼間の眠気を主訴として受診。簡易無呼吸検査にて無呼吸低呼吸指数が44.0でありCPAPを開始した。約8年前より緩徐な脈圧上昇と急激な低呼吸の上昇を来した。またチェーンストーク呼吸を認めた。陳旧性心筋梗塞、慢性心不全により中枢性無呼吸へと移行したと考えた。冠動脈手術を施行されたが、心機能、無呼吸が回復せず、ASVを導入し無呼吸低呼吸指数は9.9となり、ASV管理を行っている。CPAP使用中の症例に対しては、無呼吸低呼吸指数を診るのみではなく低呼吸に変動がないか、チェーンストーク呼吸など生命に危険を及ぼす呼吸状態がないかを慎重に診ていく必要があると考えられた。