2024/09/09
三輪徹, 山田卓生, 草場雄基, 松吉秀武, 蓑田涼生 内容:自律神経機能異常を個体因子として有する健常者に対して、一側前庭刺激を行った際、強いめまい症状を呈することは報告されている。しかし、動的体平衡に及ぼす影響について検討した報告は少ない。今回われわれは、健常者において 1 自律神経失調、2 抑うつ・不安傾向および 3 起立性調節障害(OD)が、一側前庭刺激後のめまい症状と体平衡にどのように関連するかを1—3の問診表を用いて検討した。めまいを経験したことのない20〜30歳代の男性31名、女性16名の計47耳。 冷水刺激後(4℃、5ml)、1分間経過した段階で、6m の開眼歩行を行い、方向と偏倚距離を記録した。検査前後に1—3の問診を行った。 歩行偏倚距離が 100cm 以上の被検者では回転感(86%)を自覚した例が多く、自律神経機能異常を有する例が多く認められた。一方、30cm 以下では流される感じ(63%)が多く、自律神経機能異常を認めなかった。抑うつ・不安傾向については関連を認めなかった。