2021/08/24
立ちくらみや、近年問題となっているスマートフォンやゲームなどの視覚刺激に伴う入 眠障害、中途覚醒による睡眠の質の低下、およびストレスの有無、片頭痛の有無などの日 常生活習慣についての問診を行い、小児めまい発症の原因を調べることを目的とした。小 児めまい症例 70 例と、めまいを自覚したことのない小児 60 例を対照として、めまいと日 常生活についての問診を行い、比較検討を行った。日常生活の問診では、小児めまい症例 において、めまいがない症例と比較し、有意に、入眠障害や中途覚醒などの睡眠障害を多 く認めた。慢性的な睡眠障害が自律神経失調を生じ、起立時の循環制御の調節不全を起こ し起立性調節障害を来したものと考えた。小児めまい症例は、めまいのない症例と比較し て、有意に、片頭痛を多く認めた。また小児めまい症例において、めまいがない症例と比 較し、有意に、学校などへの遅刻を多く認めていた。日常生活において入眠障害や中途覚 醒を改善し、睡眠状態を改善すること、起立性調節障害と片頭痛の早期発見、早期治療が、 小児めまいを改善させ、学校への遅刻などの社会不適合を減らしていくために重要である と考えた。