2021/05/31
精神疾患によるめまいと診断されるめまい外来患者は5-30%を占めるとの報告があり、大学病院では6%、耳鼻咽喉科診療所である自験例では1.3%であった。施設ごとに診断方法、また診断する医師の違いにより、精神疾患によるめまいとされるものの頻度にはある程度のばらつきが存在しているのが現状である。しかし、ストレス社会の中、今後精神疾患によるめまいとされる疾患は増えてくるものと推察される。このため、耳鼻咽喉科医としても、治療可能な精神疾患によるめまいと、治療が困難なめまいとを鑑別し精神科専門医に治療を依頼すべき疾患をしっかりと理解しておくことが重要と考える。精神疾患によるめまいには、以下のごとく主に3つに分類されているが、治療面から考慮すると、身体表現性障害に伴うめまいが薬剤難治性とされており、同疾患の鑑別と診断が重要になると考えられる。