2021/05/31
本報告では健常人を対象として温度刺激検査により誘発されるめまい感と、自律神経症状、心理テストおよび起立性調節障害(OD)との関係を検討した。温度刺激検査によって回転感を自覚した耳では、横に流される感じを自覚した耳に比べて、Graybielの動揺病スコアを参考とした自律神経症状スコアが有意に上昇していた。また回転感を自覚した耳において眼振持続時間が有意に延長していた。心理テスト、ODについての問診では、両耳とも横に流れる感じを自覚した群と比較して、両耳とも回転感を持続した群において、有意に抑うつスコアが高く、ODを多く認めていた。一方、自律神経失調傾向、不安傾向には有意な関与を認めなかった。