2021/05/31
熊本県における良性発作性頭位眩暈症(BPPV)診療の現状についての検討を行った。障害部位については、外側半規管型(半規管結石型)、後半規管型、外側半規管型(クプラ結石型)、前半規管型の順に多かった。本検討では対象施設のほとんどがBPPV症例がまず受診すると思われる無床診療所と一次救急病院であり、今回の結果がBPPVの実態をより反映したものではないかと考えた。理学療法については、後半規管型に対しては主にEpley法が、外側半規管型(半規管結石型)に対しては主にLempert法が行われていた。理学療法は、BPPVのうち後半規管型、外側半規管型(半規管結石型)のBPPVにおいて有効であった。外側半規管型(クプラ結石型)のBPPVについては理学療法を行わなくても症状が改善する傾向にあった。