2021/05/31
当科にて1998年から2006年の間に治療を行った耳下腺癌28例を対象として、予防的頸部郭清の適応と範囲について検討した。予防的頸部郭清を施行すべきか否かを決定するための指標としては、FNAB(fine-needle aspirationbiopsy:エコーガイド下の針生検)と術中迅速病理検査を行うことが有用であった。予防的頸部郭清術の適応は、局所がT4aあるいは、FNABまたは術中病理検査にて高悪性度癌が疑われた症例と考えた。予防的郭清の範囲としては、病理学的悪性度に拘わらず、II、III領域が適切な範囲であり、T3以上のT分類が進んだ症例ではII、III、V領域を郭清すべきと判断した。