2021/05/31
樹状細胞(DC)に抗原遺伝子と共にケモカイン遺伝子を発現させることにより、生体内に移入したDCの存在する局所へT細胞を遊走させ、抗原特異的免疫応答を増強できるか否かを検証する。さらにモデル抗原を発現させた腫瘍を拒絶する免疫応答の誘導能について比較検討した。モデル抗原OVA を発現させたES-DCを腹腔内投与することにより、OVAを強制発現させたB16メラノーマに対する有意な腫瘍増殖抑制効果が観察された。さらにSLCを発現させることにより、その効果が著明に増強された。抗原およびケモカイン遺伝子を共発現させたES-DCを使用することにより、抗原特異的免疫増強療法が可能であり、抗腫瘍免疫療法に利用できるものと考えられた。